凝縮した葡萄で甘口♪香りと甘みが詰まった「アイスワイン」を知るとワインがもっと楽しくなる

冬というのにアイス!?と思われたかもしれませんが、冷凍ブドウから造られる特別なワイン「アイスワイン」について紹介したいと思います。

地球温暖化が進む中、価値が高くなりつつあるアイスワイン。寒い気候の中、自然と冷凍されたブドウの木から摘み取られて造られるアイスワイン。とっても甘くてジューシーなワインは、口に含んだ習慣幸せな気分を運んでくれますよ

香りと甘みが詰まった贅沢な「アイスワイン」

アイスワインは特別なワインです。シロップのように甘く、豊かなフルボディ。アルコール度数は約10%と通常のワインより低めですが、限られた気候と条件の中でブドウをぎゅっと濃縮して造られます。甘みと豊かな香りが楽しめる「特別で贅沢」なワインです。

アイスワインはどうやって造られるの?

凍った木から収穫されたブドウを使って造られるアイスワインは、寒い地域でのみ造ることができます。主な生産地はカナダドイツです。

通常、ワインに使われるブドウの収穫は9?11月ですが、アイスワイン用のブドウは12月?2月に行われます。さらに、氷点下7度以下の極寒の気候(ドイツでは氷点下8度以下)で深夜から早朝の真っ暗闇で、手作業で摘みとっていきます。

通常、ワインに使われるブドウの収穫は9?11月ですが、アイスワイン用のブドウは12月?2月に行われます。さらに、氷点下7度以下の極寒の気候(ドイツでは氷点下8度以下)で深夜から早朝の真っ暗闇で、手作業で摘みとっていきます。(画像はイメージです)

摘み取ったブドウは凍ったまますぐにプレスされ、濃縮された果汁を抽出していきます。氷のように硬くなった何千ものブドウの粒が、ブドウの粉砕機とプレス機に落ちるところを想像してみてください。たくさんの冷凍ブドウが壊れてしまうところが想像できるはず。

そんな感じで、アイスワインには冷凍ブドウから抽出された果汁の約10?20%だけが使用されます。さらにブドウの糖度が高いため、発酵が完了するまでに数ヶ月かかる場合もあります。とてもゆっくりで気難しい発酵です。

こうして厳しい気候の中で手間暇かけて収穫して製造されるアイスワインは、効果で特別なものとなるのです。すべてが完了すると、ワインのアルコール度数は約10%に、甘味の範囲は約160?220 g / Lの残留糖分になります。

ブドウがぎゅっと凝縮された、甘?い香り豊かなアイスワインの完成です!

ドイツで偶然生まれたアイスワイン

古代ローマでも作られていたようですが、現在のアイスワインはドイツで偶然生まれました。

特に寒かった1974年の冬、ドイツのワイン製造者は凍ってしまったブドウを処理しなければなりませんでした。そこで、凍ったブドウでワインを作ってみたところ、驚くほど高い糖度と素晴らしい風味を持つワインが完成したのです。

この技術は徐々にドイツの中で広まっていきます。

さらに1972年にカナダで初めてアイスワインが造られます。これもドイツのように偶然、予期せぬ霜の結果、生産されました。(さらに偶然にもドイツ人移民の生産者が造ったものです。)

厳しいカナダの冬がアイスワインの大規模な生産に向いているため、様々な生産者がアイスワインの生産に乗り出し、1980年代には商業的基盤を確立。カナダのアイスワインはすぐに人気を博し、2000年代初めには、世界最大のアイスワイン生産国となります。カナダのアイスワインの約75%はオンタリオ州で生産されています。

アイスワインに使用されるブドウについて

アイスワインでよく使われるブドウは、

  • カベルネフラン
  • メルロー
  • ゲヴュルツトラミネール
  • リースリング
  • グリューナーヴェルトリーナー
  • シュナンブラン
  • ヴィダルブラン

など。寒冷地でよく育つブドウが最高のアイスワインになります。

おすすめは、近年1番のアイスワイン生産地となっているカナダのオンタリオ州で生産されるカベルネ・フランから造られるアイスワインです。鮮やかなオレンジルビーの色合いに魅了されるはず。

「アイスワイン(ice wine)」は、寒い気候の中、自然に凍ったブドウの木から収穫される必要があります。カナダ、ドイツ、オーストリア、アメリカでは、ブドウが「商業的に冷凍」されている場合はこの「ice wine(アイスワイン)」としてラベル付けすることは許可されていません。人工的に冷凍されたブドウを使ったワインは「iced wine(アイスドワイン)」または「dessert wine(デザートワイン)」と書いてあるので、買うときにラベルをチェックしてみてくださいね!

アイスワインが温暖化の影響でますます希少に!?

アイスワインの収穫や圧搾は、アイスワインにとって最適な気象条件が揃った場合にのみ実行できます。年によってはブドウがまったく凍結しない場合もありますし、年を越すまで収穫できない場合もあります。

そんな難しい条件の中で手間暇かけて造られるアイスワインは、必然的に希少で高価なものになります。さらに、近年の世界的な温暖化の影響で生産量はグッと減っています。

カナダに次ぐ世界第2位のアイスワイン生産国のドイツも、2019年は暖冬と影響を大きく受けてしまいました。1回を除いてすべての収穫が失敗。地球温暖化の影響で、ー8度以下でアイスワイン用のブドウを収穫する可能性は、過去10年間で大幅に減少したようです。

このまま温暖化が続けば、アイスワインはますます希少になるか、最悪の場合はなくなってしまう可能性も。もともと特別で高価なワインの価格が近年ますます上昇しています。

今のうちに試しておきたい!おすすめのアイスワイン

グリューバー/ シャルドネ アイスヴァイン
SC[2017] 375ml 白 GRUBER/CHARDONNAY EISWEIN
¥3,500

オーストラリアで造られる、シャルドネ100%のアイスヴァイン。いきいきした酸味と甘さのバランスが素晴らしい、白のアイスワインです。

エロイカ/ リースリング アイス ワイン [2014]?375ml 白 RIESLING ICE WINE
¥7,540(税込)

リースリングとアイスワインで有名なドイツ・モーゼルのワインメーカー「ドクターローゼン醸造所」とアメリカ・ワシントン州のワイナリーのコラボで生まれた、リースリング100%の傑作「エロイカ」。アプリコットとハチミツの香りとフレーバーが凝縮された、エキゾチックで甘美なワインです。

アイスワインの楽しみ方

アイスワインはよく冷やして、グラスに少しだけ注いで楽しんでください。冷やすことですっきりとした甘みを楽しむことができます。

香り豊かでとても甘いワインなので、少しだけ注いで食後のデザート代わりに飲むのがおすすめです。

デザートと共に楽しむには、コクのあるチーズケーキやアイスクリーム、新鮮なフルーツのパンナコッタやムースがおすすめですよ。

食べ物と合わせたいときには、チーズがおすすめ。ゴルゴンゾーラやパルメザンなど強くて塩気のあるチーズをちょっと切って添えて。アイスワインのコクのある甘みと、少しクセのあるチーズのマリアージュが楽しめます。チーズとアイスワインを午後にゆっくりアペロして楽しむのも魅力的ですよね。

豊かな香りと甘みが詰まった「アイスワイン」手に入るうちに楽しんで

寒さが偶然産んだ奇跡のワイン、アイスワイン。ブドウを凍らせることで、ぎゅっと凝縮された豊かな香りと甘みは、食後にちょっとすすって楽しみたい贅沢な1杯です。

このまま温暖化が進むと「幻のワイン」となってしまう可能性も。その贅沢で豊かな香りと甘さを手に入るうちに楽しんでおきたいですよね。

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