数々の映画に出てくるドン・ペリニヨン

数々の映画に出てくるドン・ペリニヨン
映画には、しばしばワインが登場します。ワイン好きならどんな映画にどんなワインが登場したのか気になるところ。ワイン好きではなくても、いろいろな映画のなかでくり返し出てくるラベルがあると、印象に残るのではないでしょうか。 今回は、映画によく登場するシャンパン「ドン・ペリニヨン」についてお話しします。

ドン・ペリニヨンとは

「ドンペリ」の通称をもつシャンパン「ドン・ペリニヨン」。世界で一番有名なシャンパンといっても過言ではないでしょう。 ドン・ペリニヨンは、フランス、シャンパーニュ地方最大の生産者であるモエ・エ・シャンドンが手掛けています。ドン・ペリニヨンの名前は、シャンパーニュ地方にある、ベネディクト派のオーヴィレール大修道院の醸造責任者であった僧侶ドン・ピエール・ペリニヨン(1715年没)に由来します。 ドン・ピエール・ペリニヨンは、シャンパーニュ地方で、瓶内二次発酵による発泡性のワイン、現在のシャンパンの原型を確立したといわれています。また、異なるブドウを混ぜるというアッサンブラージュの技術を生み出しました。ドン・ピエール・ペリニヨンのワインは、同時期の太陽王ルイ14世からも高い評価を得て、ヴェルサイユ宮殿で欠かせない存在となりました。 そんな歴史あるドン・ペリニヨンのフィロソフィーは、単一年に生産されたワイン、ヴィンテージワインへのこだわりです。さらに、よい年にしか生産されないワインなのです。(通常、シャンパンは異なるヴィンテージのワインがブレンドされます。) ドンペリは、日本でも宮中晩餐会で使われ、品質は折り紙付き。だれもが認めるバランスのよい味わいのシャンパンです。 そういうわけですので、プレゼントやお手土産としても大変人気のあるシャンパンでもあります。

ドン・ペリニヨン/ リミテッド・エディション・バイ・レニー・クラヴィッツ

ドン・ペリニヨンは、コラボレーションの限定ボトルがあることでも知られています。 

映画の中でのドン・ペリニヨン

ドン・ペリニヨンは、高級シャンパンというイメージがあり、映画でも頻繁に登場します。ここで、ドン・ペリニヨンが登場する映画をご紹介します。(順不同です。)

『アイリッシュマン』(2019年)

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巨匠マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ主演、ジョー・ペシ出演という豪華キャストの超大作。同監督の集大成といわれる映画で、3時間を超えます。 映画の中盤、組合のディナーパーティーで、ジョーイ(ジョセフの愛称)役のセバスティアン・マニスカルコがワインのボトルを持って立ち上がるシーンがあり、それがドン・ペリニヨンです。一瞬なので見落としてしまいがちですが、ドン・ペリニヨンのラベルがしっかり見えます。

『ミニミニ大作戦』(2003年

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マーク・ウォールバーグ、ジェイソン・ステイサム、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロンという豪華キャストが出演しているアクション映画。原題『The Italian Job』のとおり、最初の舞台はイタリアのヴェネツィア。そして、邦題のとおりミニで繰り広げられるカーチェイスが見どころです。アルプスの山の中、主人公たちがドン・ペリニヨンで祝杯をあげます。ひとり1本ボトルを持ってラッパ飲みをしていて、ラベルもかなり見える豪華なドンペリ・シーン。ドン・ペリニヨンをラッパ飲みするシーンは、『ダイ・ハード3』でも出てきます。

『ダイ・ハード3』(1995年

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ダイ・ハードは、ブルース・ウィリス扮するニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンの奮闘を描く大ヒットアクション映画シリーズ。 『ダイ・ハード3』では、ラスト近くに、悪役たちが手づかみでドン・ペリニヨンを飲むシーンがあり、インパクトがあります。

『セックス・アンド・ザ・シティ』(1998年~2004年)

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サラ・ジェシカ・パーカー、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、キム・キャトラル演じる4人のヒロインのニューヨーク・ライフを描いたアメリカの人気テレビドラマ。SATCと略され、世界中でヒットし、2008年と2010年に映画化されました。この秋から配信の続編『And Just Like That...(原題)』も要チェックです。 SATCでも、ドン・ペリニヨンが何度も出てきます。一番印象的なのは、シーズン3、エピソード10のヒロイン4人がドン・ペリニヨンを飲んでいるシーンです。サマンサ役のキム・キャトラルもラッパ飲みをしています。

『タイタニック』(1997年)

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不朽の名作タイタニック。豪華客船タイタニック号で繰り広げられるラブ・ストーリーで、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが船の先端に立つシーンはあまりにも有名です。 映画の冒頭、沈んだタイタニックから金庫が引きあげられた際、シャンパンをかけあうシーンで登場するのがドン・ペリニヨンです。

『フェイス/オフ』(1997年)

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巨匠ジョン・ウー監督の出世作で、ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジの演技が光るアクション映画。 FBI捜査官を演じるジョン・トラボルタが、CIAからドン・ペリニヨンを贈られます。ゴールドカラーのリボンのついたドン・ペリニヨンのボトルが目をひきます。

『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』(2019年)

スティーブン・ソダーバーグ監督の作品で、実話の事件パナマ文書流出を題材にしたコメディ映画。メリル・ストリープ主演、さらにゲイリー・オールドマン、アントニオ・バンデラスという豪華キャストが出演しています。 映画中盤、富豪の黒人実業家チャールズの娘役ジェシカ・アランが、車からドン・ペリニヨンをケースごと家に運びます。箱に2009年ヴィンテージと書かれています。ドン・ペリニヨンのケースごと登場する珍しいシーンです。

『ドクター・ノオ(007は殺しの番号)』(1962年)

だれもが知るスパイ・アクション映画007シリーズの第1作目。初代ジェームズ・ボンドを演じるショーン・コネリーが、アメリカの宇宙開発の妨害を図る謎の中国人ドクター・ノオとの闘いを描いています。 ボンドがテーブルの上のシャンパンをつかんだときに、ドクター・ノオがボンドに「それはドン・ペリニヨンの55年物だ」と言います。ボンドは「53年物のほうがいい」と言い返します。 007シリーズには、何度もドン・ペリニヨンが登場しますが、その中でも「何年物のほうがいい」というネタがもうひとつ出てくるので、それをご紹介します。

『007/黄金銃を持つ男』(1974年)

007シリーズ第9作目。ボンドは3代目のロジャー・ムーア。タイのプーケットを舞台に、黄金銃を持つ男とボンドの対決を描いています。 ニックナック役のエルヴェ・ヴィルシェーズが1964年のドン・ペリニヨンを持ってくると、ボンドは「62年物のほうがいい」と言います。 単一年の生産にこだわっているドン・ペリニヨンだけあって、映画の中でもヴィンテージが重要視されていて興味深いです。ヴィンテージでびっくりするのは、未来のドン・ペリニヨンが出てくる『スタートレック ジェネレーションズ』。

『スタートレック ジェネレーションズ』(1994年)

大ヒット作「スタートレック」シリーズの映画の第7作目。 宇宙空間を浮遊してきたドン・ペリニヨンが割れ、進水の合図となります。ヴィンテージは、なんと2265年!200年以上経っても、ドン・ペリニヨンは作り続けられているのでしょうか?!

まとめ

映画からも、ドン・ペリニヨンが長年愛され続けていることがわかりますね。ドン・ペリニヨンは映画のシーンに華をもたらす役割になっています。映画を通してワインを楽しむのもおもしろいものです。

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