辛口白ワインの代名詞的存在、シャブリワイン。特に日本での人気はとても高く、世界でも第3位の輸入国。国内のフランス産白ワインのシェアを40%も占めています。
レストランでの指名も多く、日本人の味覚にぴったりのワイン。知名度が高く、日本人に好まれるワインだからこそ、プレゼントにもおすすめです。
シャブリの基本情報
シャブリワインってどんなワイン?
シャブリは、ワインに詳しくない方でも、一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか。けれど「シャブリワインってどんなワイン?」と聞かれると、説明できなかったり、難しかったりしますよね。
今回はそんな「シャブリワインについて」今さら聞けない基本の情報を紹介していきたいと思います。シャブリワインの基本情報をチェックして、シャブリの白ワインが美味しい理由を探っていきましょう!
シャブリとは①?シャブリ地方の白ワイン?
シャブリは、フランス北部のブルゴーニュ地方にある地区の名前です。このシャブリ地区からとった「シャブリ」という名のワインは、シャブリ地区で造られる「辛口の白ワイン」を指します。
シャブリは白ワインのみです。これはワイン法で決められています。同じシャブリで造られるワインでも、赤ワインは「シャブリ」のラベルをつけることはできません。
もし辛口の白ワインが飲みたければ、「シャブリ」を選べば間違いなしです。
シャブリとは②?シャルドネ100%?
シャブリワインは、シャルドネぶどう100%で造られています。
シャルドネを使ったワインは、フランスだけでなく国外でもたくさん生産されていますが、シャブリの白ワインは特別です。
ミネラル豊富なキンメリジャンの土壌が独特の個性を生み出し、ブドウにとって理想的な気候の中で育つからです。シャブリ地区の、ワインにぴったりの特別な気候やテロワールの中で育ったシャルドネから造られるシャブリだからこそ、甘みとフレッシュさのバランスのとれた特別なワインに仕上がります。
シャブリとは③?辛口でフレッシュな酸味?
キリリとした辛口でしっかりとした酸味がシャブリワインの特徴です。シャブリ地区の冷涼な気候が、酸味の高いワインをつくりだします。
さらに、シャブリの発酵はステンレスタンクでされるものが多いので、フレッシュでピュアなシャルドネぶどうのイキイキとした酸味をそのまま感じることができるのです。
ヴィンテージワインに多いオーク樽で発酵させたものは、年月を経るうちに、スモーク、バニラ、キャラメル、バターの香りをかもしだすと言われています。
良いシャブリは、酸味が強くてしっかりとしたミネラル感、ピリッとした後味が長くつづきます。
シャブリとは④?ミネラルが豊富?
シャブリは豊富なミネラル感に少し塩分を感じるワインです。
その豊富なミネラル感は、シャブリ地区の土壌が大きく影響しています。
シャブリ地区は遥か昔、海でした。そのため、地区の大部分は、キンメリジャンとよばれる石灰岩を主体にした土壌です。ミネラルが豊富な土に、牡蠣や貝類など海洋化石を含んでいます。
そんなテロワールで造られたシャルドネぶどうをつかって造られるシャブリワインは、ミネラル感たっぷりで少し塩分を感じるワインとなるのです。
特にプルミエ・シャブリやグランクリュ・シャブリは、キンメリジャンの土壌でミネラル感たっぷり。ミネラルに由来するバニラやピーナッツのような香りも楽しめます。
シャブリとは⑤?数千年の歴史?
シャブリの村の歴史は、ローマ時代に始まりました。ぶどうの栽培も、新石器時代には始まっていたと考えられています。今から3000年以上も前のことです!
1114年に、 シトー会のユーグ・ド・マコンが、シャブリ地区に修道院を建てました。この修道院はすぐに有名になり、修道士たちのためにぶどう樹が寄与されます。
ぶどう畑を発展させたのは、シトー会の修道士たちです。
その後、何百年も受け継がれたシャブリのぶどう畑が、フィロキセラ・ベト病などぶどう樹の病気や、世界大戦などで大きな被害を受けてしまいます。第二次世界大戦直後に残っていたぶどう畑はたったの550ha。
そこから見事に復興を成し遂げ、現在シャブリには5,600ha以上ものぶどう畑が広がっています。
シャブリワインは、何千年もの間守り続けてきた「シャブリの歴史あるぶどう」から造られた「歴史あるワイン」というわけです。
シャブリワインの種類
シャブリワインは4つの種類にランク付けされています。格付けによって特徴も価格も違ってきます。シャブリを買うときには、ラベルを見てどの種類に分類されているかチェックしてみてくださいね。
①シャブリ・グランクリュ(特級)
シャブリワインの中でも、トップクラスのワイン「シャブリ・グランクリュ 」。
町の東端にある約100ヘクタールの斜面にある7つの畑から造られたワインだけが、シャブリのグランクリュを名乗ることができます。
7つのグランクリュは:Preuses、Bougros、Vaudesir、Grenouilles、Valmur、Les Clos、Blanchot。厳しい規制の下で作られます。
シャブリは、気候やワイン造りの工程によって、味が大きく異なります。
濃厚なオレンジの皮、アプリコット、パッションフルーツから、リンゴやピーナッツの殻のより風味まで。豊かなフレーバーです。
おすすめワイン
ドメーヌ ウィリアム フェーブル/ シャブリ グランクリュ レ クロ [2017年ヴィンテージ] 750ml・白 Domaine William Fevre/ Chablis Grand Cru Les Clos ワイン
¥14,070(税込)
“最もピュアで最もエレガントな白ワインを造る生産者の1つ”といわれている「シャブリ グランクリュ レ クロ」。シャブリのグランクリュ の中で最大の生産者で、乾燥したミネラルと優れた熟成能力を備えています。
ビヨー シモン/ シャブリ グランクリュ ヴォーデジール [2017年ヴィンテージ] 750ml 白 BILLAUD-SIMON/Chablis Vaudesir ワイン
¥9,020(税込)
200年の歴史を誇るドメーヌ・ビヨー・シモンの「シャブリグランクリュヴォルデジール 」果実味が豊かで、洗練されたミネラル感。バランスのとれたワインです。
②シャブリ・プレミエクリュ(一級)
プレミアクリュの畑は、シャブリのブドウ園のわずか15%。グランクリュに次いで高い品質を保証されているワインです。
プレミアクリュとして指定されたブドウ畑は、グランクリュと違ってその名称がワインラベルに表示されることはめったにありません。
おすすめのワイン
アンリ ド ブルソー/ シャブリ プルミエ クリュ ボーロワ 750ml 白 ワイン
¥3,420(税込)
リンゴやグレープフルーツなどの果実の香りの中に、ハーブ、ミネラルを感じさせるノート。生き生きした酸が楽しめる、繊細で奥深い辛口ワインです。
ジェラー デュプレシ /シャブリ プルミエ クリュ ヴァイヨン [2016年ヴィンテージ] 750ml 白 ワイン
¥4,340(税込)
南東を向きの斜面で粘土と砂の混じった土壌のブドウ畑で育ったブドウ。ピーチやパイナップルなどトロピカルな果実のニュアンスがあり、フルーティな味わいが楽しめます。
③AOP(C)シャブリ
1938年に「シャブリワイン」の名を保護するためにつくられた呼称です。4つの分類の中で最も多く、広く普及しています。
現在、シャブリの称号を持つすべてのワインは、シャルドネ100%で作られた辛口の白ワインです。さらに、シャブリの町とその近くの特別に指定された地域のブドウ園から生産されています。
メゾン ウィリアム フェーブル/ シャブリ [2018年ヴィンテージ] 750ml・白 Maison William Fevre/ Chablis ワイン
¥2,380(税込)
タイプ:白ワイン/産地:ワイン(産地別),フランス,ブルゴーニュ(生産者別),ア行,ウィリアム フェーブル…
フレッシュな柑橘系の香り、キレのある酸味が際立つスタンダード・シャブリ。クリーンでミネラル感のある味わいは、シャブリの本来の味わいの特徴を表現したお手本のようなワイン。シャブリワインを初めて試すかたに、おすすめです!
④プチ・シャブリ
シャブリの中で一番カジュアルなワインです。プルミエクリュやグランクリュの上の高原にあることが多いプティシャブリの畑。風にさらされやすく、太陽に向かっての傾斜がないため、ワインに適したシャブリ気候の恩恵を受けにくいと言われています。
とはいえ、シャブリワインをお手頃価格で気軽に飲むことができるのが魅力。軽くてフルーティーなワインです。
ドメーヌ セギノ ボルデ/プティ シャブリ [2019年ヴィンテージ] 750ml 白 PETIT CHABLIS ワイン
¥2,270(税込)
シャブリワインと合う料理
ナチュラルな高い酸味ですっきりと辛口のシャブリは、クリーミーなソースを使ったチキンや魚、天ぷらなどと相性抜群です。素材は、牡蠣、アサリ、ホタテなどの貝類や、鶏肉や白身魚などの軽い魚、肉との合わせがおすすめです。
シャブリの高い酸味とミネラルは、刺身や寿司、生牡蠣ともよく合います。
生牡蠣にレモンをキュッと絞ると美味しいように、酸味の高いシャブリワインで生牡蠣や刺身の味を引き締めることができます。
同じように、揚げ物の油分をすっきりとしたり、クリーミーなソースをリフレッシュすることもできます。魚介類の天ぷらや、エビグラタンや牡蠣のチーズ焼きなんかにもぴったりです。
シャブリの辛口白ワインを、美味しい魚介類と一緒にぜひ楽しんでくださいね。
冬にはクリーミーな牡蠣にキリリと辛口のシャブリがぴったりです!