[ワイン]キャンティに合う料理

[ワイン]キャンティに合う料理
世界で最も知られているイタリアワインといってもいい「キャンティ」。キャンティを飲むときは、どんな料理を合わせたらよいのでしょうか。今回は、キャンティと合う料理をご紹介します。

キャンティとは

キャンティは、イタリア中部のトスカーナ州で造られるワインで、「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」に分かれています。「キャンティ・クラシコ」は、世界遺産の街フィレンツェと同じく世界遺産の街シエナの間に位置するエリアで、「キャンティ」はその周りのエリアです。異なるふたつのDOCG(統制保証原産地呼称)ワインですが、どちらもサンジョヴェーゼ種主体で造られる赤ワインのため、まとめてキャンティと呼ばれることがあります。ここでも、まとめてキャンティと呼ぶことにします。 キャンティは、透明感のある明るいルビー色で、スミレの花やミックスベリーなどの小さな赤い果実の香りが特徴のワインです。果実味がふんだんに感じられ、比較的タンニンがあり、明るい味わいのワインです。樽熟成を経ると、バニラやリコリス、シナモン、ナツメグ、胡椒のアロマが感じられるワインとなります。また、しっかりした酸味のあるワインでも知られています。この酸味が食欲を刺激するため、食事と合わせておおいに楽しむことができます。

キャンティに合う料理

牛肉のステーキとキャンティ

キャンティと最高に合う料理は、牛肉ステーキのグリルです。噛めば噛むほど肉汁が出てくるステーキは、キャンティの酸味とダイナミックなマリアージュをしてくれ、肉もワインも相乗効果で堪能することができます。

キャンティに合う料理、牛肉のステーキとキャンティ[/caption] キャンティ地方の名物であるTボーンステーキは、赤身の牛肉を分厚く切り、炭火で焼き、中をレアに仕上げます。味付けは塩と胡椒のみで、肉自体の旨味をふんだんに感じることができ、食通をもうならせる料理です。 キャンティを合わせると、肉のジューシーさとサンジョヴェーゼの酸味がみごとにマリアージュし、肉もワインもすすむ幸せなペアリングとなります。

牛肉のオーブン焼きとキャンティ

じっくり焼いた牛肉のオーブン焼きは、肉の旨味が凝縮していて、味わい深い料理です。調理が難しそうに思われがちですが、オーブンに入れておくだけなので、意外と簡単においしく作ることができます。肉はやわらかくなり、肉から出てくるエキスがソースとなり、とびきりのおいしさです。見た目もいいので、おもてなし料理にも最適です。

焼く時にローズマリーやセージなど、ハーブ類を入れるとより風味が増します。キャンティにもハーブのような香りがありますので、共通したニュアンスでマリアージュが生まれます。 極上の牛肉のオーブン焼きも、キャンティの酸味とマッチします。味わい深い肉の余韻がキャンティの余韻と相まって、口の中がおいしさで満たされます。ゆっくりと焼いた料理ですから、食べるときもゆっくり味わいましょう。そして、テーブルを囲む人たちと会話をしながらゆったりとワインを飲み、リラックスできる組み合わせを共有しましょう。

ミートソースのパスタとキャンティ

イタリアワインの代表格のキャンティですから、イタリア料理のパスタとも合わせることができるのはいうまでもありません。 キャンティは、伝統的に毎日の食事に合わせて飲まれてきたワインですので、デイリーの料理のパスタにももってこいです。

パスタのソースは、しっかりとした味わいのミートソースを合わせましょう。牛肉のひき肉をトマトで煮込んだコクのあるソースです。ふとめのパスタを使うと、ソースがいっそうパスタにからんで、ほっぺたが落ちる一品になります。 長時間煮込んだミートソースは濃厚な味わいで、キャンティの果実味にぴったり合い、心がはずむペアリングになります。

豚肉料理とキャンティ

豚肉は肉の中でも脂が多いもので、その脂がフレッシュな酸味のあるキャンティと非常に合います。グリルやロースト、煮込みなどさまざまな調理法で楽しむことができる豚肉。レシピを問わず、キャンティと合わせることができます。 スペアリブのようなこってりした肉も、香ばしいロースのグリルも、ジューシーなローストも、豚肉の脂の旨味が後をひきます。キャンティ地方でも、豚肉料理は頻繁に食卓にのぼり、とてもなじみがあります。デイリーに食べる豚肉とデイリーに飲むキャンティは、自然な組み合わせでもあるのです。

またキャンティ地方では、豚肉は果物と一緒に調理されることがよくあります。プルーンと豚肉、リンゴと豚肉は、人気のある料理で、中世から親しまれている調理法です。果物の甘みが豚肉の脂となじみ、キャンティを飲まざるをえなくなるような味わいです。

おすすめのキャンティ

キャンティと合う料理がわかったところで、次はワイン選びです。キャンティは産地が広いだけに、生産者の数も多く、チョイスするのが難しいワインのひとつでもあるといわれています。そこで、おすすめのキャンティをご紹介します。

サンタ クリスティーナ/ キャンティ スペリオーレ

サンタ クリスティーナ キャンティ スペリオーレ [2019] 750ml・赤

サンタ・クリスティーナは、アンティノリ家が手掛けるエントリーワインシリーズです。アンティノリ家は、1385年からワイン造りをおこなっているトスカーナの名門。現在26代目で、その実力はトスカーナだけでなく、イタリアのワイン界で権威あるリーダー的存在です。 サンタ・クリスティーナのキャンティ・スペリオーレは、野生のさくらんぼやプルーンの香りが感じられ、なめらかなタンニンのあるやわらかな味わいです。

マキャヴェッリ/ ソラティオ デル ターニ キャンティ クラッシコ

マキャヴェッリは、『君主論』で有名なフィレンツェ出身の政治思想家ニッコロ・マキャヴェッリのファミリーが所有していたワイナリーです。『君主論』は1513年に書かれた政治学の著作で、ワイナリーには彼が執筆をしていた書斎が残っていて、そこは現在では博物館になっています。彼が実際に使っていた机や椅子を見ると、マキャヴェッリの愛読者でなくとも、その歴史に心を動かされます。 ニッコロ・マキャヴェッリは、ワイン造りにもたずさわっていました。そこで造られたワインを賞味しつつ彼が食事をしていた食堂は、現在はレストランになっています。このレストランでは、牛肉のステーキやオーブン焼き、豚肉料理、ミートソースのパスタも味わうことができます。ルネッサンス時代に想いを馳せて、キャンティと料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。 ソラティオ・デル・ターニ・キャンティ・クラッシコは、スミレやラズベリーの香りがあり、樽熟成からくる胡椒などのニュアンスが感じられます。サンジョヴェーゼの心地よい酸味が生きたなめらかな味わいです。

マッツェイ フォンテルートリ / フォンテルートリ キャンティ クラシコ

マッツェイは、11世紀からワイン造りをしていた名門のファミリーで、1398年の書物にはマッツェイ家がキャンティ・ワインを造っていたという記録が残っています。 現在24代目になる由緒あるファミリーは、現在では最新設備を整えた醸造所をかまえ、進化をとげた上質な味わいのワインを造っています。 フォンテルートリ・キャンティ・クラシコは、ラズベリーやブルーベリーなどのベリー系の果実と、樽由来のスパイス香があります。ストラクチャーもあり、やわらかくエレガントな味わいです。

まとめ

イタリアワインを代表するキャンティと、伝統的に食べられてきた肉を使った料理のペアリング。ぜひ試してみてください。

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