年末が近づき、最近は寒い日が続いていますね。
暑い夏にはキンキンに冷やしたスパークリングワインや白ワインが飲みたくなりますが、寒い冬には体が温まるようなほっとする飲み物が恋しくなりますよね。
ワインが日常的に身近な存在として親しまれているヨーロッパなどでは、昔から冬の季節には「あたたかいワイン」を飲む風習があります。
近頃は日本でも冬にホットワインを楽しむ方が増えてきているようです。
そこで今回は寒い冬にほっと一息つけるような「世界のホットワイン」をご紹介します。
お家でも簡単にマネできるものばかりなので、ぜひ試してみてください!
あたたかいワイン「ホットワイン」を楽しむ
ホットワインに使用するワインは1000円前後で購入できるお手軽なもので大丈夫です。
ワインを温める際に少しアルコール分が飛ぶため、冷やしたワインを飲むときよりも優しい味わいを感じることができます。基本的には赤ワインで作られる場合が多いですが、白ワインやロゼワインで作ると一味違った味わいを楽しむことができますよ。
材料やレシピは各家庭やお店によっても異なるので、手元にあるもので気軽に自分の好みの味付けにアレンジして楽しんでみてくださいね。
それでは世界のホットワインをみていきましょう。
「ホットワイン」と言えばドイツ!:グリューワイン(Gluhwein)
日本ではドイツ産のホットワインが数多く販売されていることから、ホットワインと言えばドイツのイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
本場ドイツで「グリューワイン」と呼ばれているホットワインは、11月中旬ごろから始まるドイツのクリスマスマーケットの出店でも販売されており、現地では寒い冬の夜に温かいワインを飲みながらクリスマスマーケットが楽しまれています。
グリュー(Gluh)とは、ドイツ語で「赤々と燃える、熱を帯びる」などの意味を持ち、ポカポカと体を温めてくれるワインを意味しています。
またドイツのクリスマスマーケットで販売されているグリューワインは、クリスマスらしい可愛らしいデザインが描かれた陶器のカップで提供されています。グリューワインをいただくときはワイングラスではなく、ぜひお気に入りのカップに入れて楽しんでみてください。
<グリューワインの作り方>
一般的には赤ワインを使いますが、あっさりとした味わいを楽しみたい方は白ワインを使っても大丈夫です。
オレンジやシナモン、クローブなどお好みのスパイス、砂糖やシロップを入れて沸騰させない程度にお鍋で温めてから、お好きなカップにいれてお召し上がりください。

グリューワインにおすすめのワイン
J & H ゼルバッハ/ リープフラウミルヒ ブルーボトル Q.b.A. [2016] 750ml・白
白ワインでグリューワインを作るならこれ。ほんのりとした甘みに体の芯までほっこりと温まります。
フランスの定番ホットワイン:ヴァン・ショー(Vin Chaud)
フランス語でホットワインは「ヴァン・ショー」といいます。フランスでヴァン・ショーはお家やカフェなどで一般的に親しまれています。ヴァン・ショーはドイツと同じように、クリスマスの季節にはパリや地方都市などで開催されている「マルシェドノエル(クリスマスマーケット)」でも販売されています。
一般的には赤ワインで作られますが、白ワインの産地であるアルザス地方などでは白ワインで作られるヴァン・ショーもあります。持ち手のついた透明な耐熱グラスなどに注いで飲むとオシャレ度アップ間違いなしです。
<ヴァン・ショーの作り方>
お鍋で沸騰しない程度に温めた赤ワインにオレンジとシナモン、砂糖を入れて数分熱します。お好みでブランデーやレモン、ショウガ、クローブなどを入れてもOKです。
ヴァン・ショーにおすすめのワイン
LGI/ レア ヴィンヤーズ グルナッシュ VV (SC) [2018] 750ml・赤
南フランスで太陽の恵みをいっぱいに浴びたブドウで造られる赤ワイン。ジューシーな果実味がフルーツやシナモンの風味にマッチします。
イタリア式ホットワイン:ヴィン・ブリュレ(Vin Brule)
ホットワインのイメージはあまりないかもしれませんが、実はイタリアでもあたたかいワインが楽しまれています!イタリアでは「ヴィン・ブリュレ」と呼ばれており、イタリア北部などを中心に親しまれています。
基本的には赤ワインを使用しますが、白ワインで有名なヴェネト州などではシャルドネなどの白ワインを使ったヴィン・ブリュレも作られています。
<ヴィン・ブリュレの作り方>
基本的な作り方はグリューワインやヴァン・ショーと一緒です。ワインにオレンジやレモン、リンゴなどのフルーツ、シナモン、グローブなどをお好きな材料を入れて火にかければ出来上がりです。砂糖やハチミツは飲む直前に入れて混ぜるのがイタリア式です。
ヴィン・ブリュレにおすすめのワイン
モンカロ/ マルケ サンジョヴェーゼ [2018] 750ml・赤
お手頃価格でコストパフォーマンスに優れた赤ワイン。果実味豊かな優しい口当たりのワインから造られるヴィン・ブリュレをお楽しみください。
北欧スタイルの「食べる」ホットワイン:グロッグ(Glogg)
長い冬の季節を持つスウェーデンなどの北欧では、寒い冬を乗り切るためにお家で作ったあたたかいワインが日常的に楽しまれています。このホットワインのことを北欧では「グロッグ」と呼んでいます。
北欧では、アーモンドなどのナッツ類と、レーズンなどのドライフルーツを入れたホットワインが親しまれています。最後に底に沈んだアーモンドやレーズンは、スプーンですくって食べるのが北欧式ホットワインの特徴です。まるでデザートを食べているかのような「食べる」ホットワインです。
<グロッグの作り方>
赤ワインにりんごジュースとアーモンドなどのナッツ、レーズンなどのドライフルーツ、お好みでシナモンやスパイスなどをいれて温めるだけ。まるでアップルパイのような、デザート感覚のホットワインをお楽しみいただけます!
グロッグにおすすめのワイン
コノスル/ヴァラエタルシリーズ/ メルロ ビシクレタ レゼルバ 750ml・赤
タイプ:赤ワイン/産地:ワイン(産地別),チリ,ラペル…
低価格ながらも高品質な味わいで日本でも大人気のコノスルシリーズ。メルローの果実味溢れる風味と、柔らかい口当たりをお楽しみください。
北国イギリスのホットワイン:モルド・ワイン(Mulled Wine)
「ホットワイン」という呼び名は実は和製英語で、イギリスではホットワインは英語で「モルド・ワイン」と呼ばれています。英語の“mull”には「お酒に砂糖や香辛料を加えて温める」などの意味があります。
<モルド・ワインの作り方>
作り方は他の国々と同じように、温めた赤ワイン(白ワインでも可)に柑橘系フルーツやスパイス、レーズン、砂糖やハチミツなど、お好きな材料を入れて温めるだけ。ちなみにイギリスではホットワインの他に、リンゴ酒(シードル)をあたためた「モルド・シードル(mulled cider)」や、アップルジュースを温めたノン・アルコールの「モルド・アップル(mulled apple)」も人気です。
モルド・ワインにおすすめのワイン
ボデガス ナバロ ロペス/ ティエラカラール テンプラニーリョ (SC) [2018] 750ml・赤
タイプ:赤ワイン/産地:ワイン(産地別),スペイン,ラ・マンチャ…
果実味たっぷりのテンプラニーリョの赤ワインはフルーツやスパイスをふんだんに使用したホットワインにもぴったり。
寒い冬に世界中で楽しまれている「ホットワイン」は、どれもお家で簡単に作れるものばかり。自分で材料を用意するのが面倒、、、という方は市販のホットワイン用ミックススパイスなどを使ってみても便利です。これからのクリスマスや年末年始の季節にもぴったりのホットワインをみなさんもぜひご自宅でお試しください!