世界中で注目「ポルトガルワイン」の魅力

世界中で注目「ポルトガルワイン」の魅力

今、世界中で大注目されているポルトガルワイン。「安くて美味しいコスパのよいワイン」だけでなく、ポルトガルでしか作られない独自のブドウを使ったユニークで高品質なワインがたくさん造られています。

今回はそんなポルトガルワインについての記事です。選び方やおすすめワインなども紹介していきますね。

世界中で注目されている「ポルトガルワイン」の魅力

フランスやイタリアにも負けない長い歴史

ポルトガルでワインが飲まれるようになったのは紀元前6~7世紀ごろ。生産は紀元前5~6世紀のローマ時代に始まり、2000年以上もワインが作り続けられています。

日本との結びつきも強いポルトガル。日本に根付いている西洋文化はポルトガルによって持ち込まれたものが多くあります。ワインもその一つ。日本の文献で初めて登場するワインはポルトガルワインです。

世界のワイン専門家でも「未知の領域」

ポルトガルワインのユニークな点は、数え切れないほど多いブドウ品種です。世界のワイン専門家でも、ポルトガルで生産されているブドウ品種について精通している人は少なく、「未知の領域」と言われています。

さらに古いブドウ園には複数のブドウ品種が植えられていて、様々なブレンドがされているため、すべてのブドウが特定しきれないこともあります。

ポルトガルワインは長い歴史にもかかわらず、いまだ発見されきれていない「秘めたワイン」なのです。なんだかワクワクする響きですよね。

ポルトガルワインの選び方

まずはワインにまつわる言葉(ポルトガル語)を紹介します。ボトルに書かれていることが多いので、覚えておくと便利です。

  • Vinho Tinto(ヴィニョ ティント)レッドワインのこと
  • Vinho Branco(ヴィニョ ブランコ)ホワイトワインのこと
  • Quinta(キンタ)農園の名前のこと。フランスワインの「シャトー」と同じような意味合いです。

ポルトガルワインの格付け制度

ポルトガルには、ワインの品質を保証する3つの格付けがあります。ラベルを見て買うときに役立ちます。

DOC(またはDOP)

DOCは最高品質のワインに与えられる称号です。ポルトガルには、31のDOC / DOP地域があります。DOCワインは最大ブドウ収穫量やブドウの品種などさまざまな規定を守って製造されています。

Vinho Regional(ヴィニョ・レジョナル)(またはIG/IGP)

ポルトガルワインは14のワイン地域(ヴィニョ・レジョナル)に分類されています。使用するブドウの種類や最大のブドウの収穫量などを管理する規制がないため、それほど高品質ではないとされています。

けれど、DOCで許可されていないブドウやブレンドを使用して優れたワインを作成するために、「あえて」このVinho Regionalでワインを創っているクリエイティブで先駆的な生産者もたくさんいます。

Vinho(ヴィニョ)(またはWIne)

ポルトガルのテーブルワインの基本的な分類です。DOCやVinho Regionalで規定されているような規則はありません。

ポルトガルのおすすめワイン

ポルトガルワインを試すのに、おすすめの地域を2つ紹介したいと思います。「ドウロ」と「ミーニョ」です。

ドウロ地方のスティルワインとポートワイン

世界で最も美しいワイン産地の一つ、ドウロ。

ドウロ渓谷には多種多様なテロワールがありますが、ほとんどのブドウ畑は暑くて乾燥した地域にあり、段々になった急斜面で栽培されています。その光景はとても美しく、ユネスコ世界遺産に登録されているほどです。

ドウロのワインは、スティルワインと酒精強化ワインの2種類があります。

ドウロの赤ワイン

以前は清酒強化の「ポートワイン」だけが注目されていましたが、最近はスティルワイン「ドウロワイン」が世界中で高い評価を受けています。

ドウロワインは80種類以上ものブドウ品種から作られますが、主要な品種は5つ。トウリガナショナル、トウリガフランカ、ティンタバロッカ、ティントカオ、ティンタロリス(テンプラニーリョ)です。

中でも、最も高く評価されているのがトウリガナショナル。カベルネ・ソーヴィニヨンのようだと表現されています。しっかりとしたタンニンを持ち、ブラックベリーのフレーバー。スパイスやレザーの風味を含みます。熟成にも適した品種です。

最も多く植えられているのは、トウリガフランカ。トウリガフランカは、トウリガナショナルよりも香りが強く、ボディが軽いのが特徴です。

・おすすめボトル

サントス&セイショー サントス ダ カーザ グランデ レゼルヴァ ドウロ [2013] 750ml 赤

トウリガフランカ、トウリガナショナルをメインに100年以上の古木のブドウから約20種をブレンドして造られます。辛口ミディアムボディーの赤ワインで、ブラックベリーのニュアンスにミネラルと樽由来の厚みを感じます。

ドウロの白ワイン

ドウロの白ワイン、ドウロブランコはフルーティーさは最小限に、ほんのり塩っぽさと高い酸味を備えた、さわやかなミネラルの白ワインです。

・おすすめボトル

サントス&セイショー サントス ダ カーザ ドウロ ホワイト [2020] 750ml 白

ヴィオジーニ、ラビガト、ゴウヴェイオのブドウから造られた辛口の白。アプリコットのニュアンスとシトラスのフレッシュさがバランス良くまとまった味わいです。

酒精強化ワイン「ポートワイン」

ポルトガルを代表する酒精強化ワイン「ポートワイン」。ドウロ地域のポルトという街で造られています。

ワインにブランデーを添加して造られるポートワイン。もとは、ポルトガルから船でイギリスに輸出する際に、ワインを安定させるために「ブランデー」を添加する方法が採用されました。

ラズベリー、ブラックベリー、キャラメル、シナモン、チョコレートソースのフレーバーを持つ甘いポートワイン。デザートワインや食前酒として楽しんでくださいね!

 

ミーニョ地方のワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」

ヴィーニョ・ヴェルデはポルトガルで最大のDOCです。

ヴィーニョ=ワイン、ヴェルデ=緑で「緑のワイン」と呼ばれています。「若いワイン」という意味でつけられたそうです。

ポルトガル西北端の、大西洋に面するミーニョ地方で造られています。北と東は山々、西は暖流に囲まれ、夏は涼しく冬は暖かい恵まれた気候です。新鮮でフルーティなワインが生み出されます。

ヴィーニョヴェルデは、高い酸とフルーティーなフレッシュさが特徴です。夏はキンと冷やして飲むのがおすすめ。ポルトガルが魚介料理で有名なように、ヴィーニョヴェルデもタコやタラなどの海の料理とぴったりマリアージュします。

主に使われるブドウは、フローラルなロウレイロ、酸味を抑えてワインを安定させるトラジャドゥーラ、ミネラルなアリント(ペデルナン)、クリーミーでミネラル感のあるアヴェッソ、上質でミネラルの微妙な香りのアルバリーニョです。

・おすすめボトル

キンタ ダ リッシャ テラス ド ミーニョ ヴィーニョ ヴェルデ [NV] 750ml・白ワイン

ロウレイロ45%、トラジャデューラ35%、アリント20%から造られた辛口白ワイン。新鮮でフルーティな飲み口はカジュアルにも上品にも楽しめます。

魅力を秘めた「ポルトガルワイン」を楽しんで

ワイン専門家でも把握しきれないほどの、様々なブドウ品種をブレンドして造られる「ポルトガルワイン」。フランスやイタリアから影響を受けずに独自の方法で発展させてきた文化も魅力の一つです。 西欧最後の未知のワインと呼ばれるワインを、実際に飲んで魅力を発掘しながら楽しんでくださいね。

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