伝説的なカリフォルニアワイン「オーパスワン」とは?

高級ワインのひとつとして、「オーパスワン」というものが存在します。
とても有名な高級ワインであり、名前を聞いたことがあるという人も多いでしょう。

しかしオーパスワンの魅力や成り立ち、あるいは当たり年など、細かいことまで知っている人は多くありません。
とはいえオーパスワンはあらゆる面で興味深いワインであり、知れば知るほど手に入れたくなるような存在です。

本記事では「名作」と呼ばれるオーパスワンについて、詳しく解説します。

至高のワイン、「オーパスワン」とは?

オーパスワンは、アメリカ・カリフォルニア州のワイナリー、「オーパスワン」(ワインの名前と同一)が生産する、最高級赤ワインです。
いわゆる「カリフォルニア・ワイン」の一種であり、同時に代表格・最高峰でもあります。

オーパスワンの出来栄えは世界中から評価されており、特に日本では圧倒的な人気を保っています。
実際、日本の高級レストランなどでは、オーパスワンが積極的にラインナップされています。
芸能人や著名人が、ドンペリなどではなくオーパスワンを楽しむ様子をSNSはアップしたり、ということも珍しくありません。

品種は、カヴェルネ・ソーヴィニヨンが主体。
さらにメルロー・カヴェルフラン・プティヴェルド・マルベックを、絶妙なバランスでミックスされています。

味や香り、色味から後味まで完璧な出来栄えで、「ワインをたしなむ人」にとっては憧れのワインとして知られています。
高級ワインの一角としては、シャンパンやドンペリなどが挙げられますが、オーパスワンもそれらと同等の評価を受けています。

ちなみに「オーパスワン」(Opus One)というネーミングは、音楽で使われる専門用語に由来します。
直訳すると、「作品番号1番」という意味になります。
これは後述する が、「ワインとは、交響曲のようなものだ」という考えから命名されたものです。

オーパスワンの値段

オーパスワンの値段は、750mlボトルで「40,000円から50,000円程度」とされています。
もしレストランで提供されるのであれば、おおむね80,000円前後です。
間違いなく世界最高峰の赤ワインですが、価格はややリーズナブルな部類に入ります。

ただしヴィンテージのものになると、値段は跳ね上がります。
1999年もののオーパスワンは、なんとおよそ200,000円という超高級ワイン。
後述するように1999年は、オーパスワンの当たり年でした。
すさまじいクオリティに仕上がったので、高値で取引されています。

こだわりの製法で作られたオーパスワン

オーパスワンは、その名声を守り続けるため、最高の環境と、徹底的にこだわり抜かれた製法で作られています。

オーパスワンの生産に使われるぶどうは、カリフォルニア「ナパ・ヴァレー」で栽培されます。
ナパ・ヴァレーを包む気候は地中海に近く、ワイン作りには最適な条件が揃っている場所です。

そしてぶどうたちは、敢えて一般的なぶどう畑よりも5倍以上の密度を保った状態で栽培されています。
ぶどうは、「密度の高い状態で育てれると、より分厚い果皮を形成する」という特徴を持っています。
果皮を増やすことで、よりパワフルな風味と豊かなアロマを引出そうとしているのです。

続いて、収穫。
オーパスワンで使われるぶどうの収穫において、農耕器具は使われません。
いかなる事情があろうとも、すべてのぶどうは手摘みによって収穫されます。

さらに収穫する時間にもこだわりがあり、夜にしか収穫しません。
いわゆる「ナイトハーベスト」という手法で、ぶどうの糖度をおさえるために実施されています。

収穫されたぶどうたちは、続いて厳しい選別に掛けられます。
選別では最新テクノロジーを用いた、さまざまなマシンが登用されています。


ぶどうの粒たちは機械によって、ひとつ一つ厳しくスキャンされるのです。
色や形がオーパスワンの基準に満たなければ、それは容赦なく選別からふるい落とされます。

ちなみにぶどうの移動・運搬では、「Gravity flow(グラビティ・フロウ)」という特殊な方法が用いられます。
ポンプなどは使わず重力に任せてぶどうを運ぶというもので、ぶどうに負担がかかりません。
オーパスワンに使われるぶどうたちは、とてもていねいに扱われているのです。

その後、ロバート肝入りの「フレンチオーク・バレル」にて熟成されるという流れ。熟成には、3年もの時間を掛けています。
オーパスワンが市場に出るのは、収穫されて3年後、というわけですね。

オーパスワンが流通するまでには、最高のぶどうと技術、そして長い時間を掛けて丁寧に醸造するという創意工夫が存在するのです。

オーパスワンの誕生流れ

オーパスワンが誕生するまでは、ドラマティックなストーリがありました。

1970年代、当時のロスチャイルド家督だったフィリップは、アメリカ各地を訪問。
カリフォルニアを訪れたとき、のちに同州ワインの功労者となる「ロバート・モンタヴィ」と出会います。

フィリップは、ロバートの持つ「ワインへの情熱・感性・好奇心」を高く評価。
フィリップはフィリップで相当なワイン狂だったので、二人はあっという間に思いを共有するようになりました。

フィリップは、名門ロスチャイルドを率いるフランスワイン界の巨匠。
一方でロバートは、カリフォルニア州におけるワイン生産の重鎮でした。
彼ら二人がタッグを組むというのは、当時においてとても大きなニュースとして取り扱われました。

フィリップとロバートは、「世界でもっとも品質が高く、唯一無二のワインを作る」というコンセプトを発案します。
フィリップはお抱えのワイン職人を、ロバートは実子であるティム・モンタヴィをそれぞれ呼び込みました。

彼らは協力してワインを作るのですが、これがなかなかうまく行きません。
難航した原因を一言で言い表すなら、「文化の違い」です。

ワインは、「ヨーロッパワイン」と「ヨーロッパ以外のワイン」(いわゆる”新世界”)に大別されます。
そして双方においては、ワインに関する考え方や思想、哲学は全く異なっています。
それを無理やり融合させるのだから、彼らのチャレンジは難しいものでした。

苦労のすえ、彼らはオーパスワンの原型となるワインを完成させます。
そして1980年、現在まで続く正式なオーパスワンが完成。
構想から長い年月を経て、ようやく市場に出回り始めました。

以後、オーパスワンのクオリティは全世界に知らされ続け、現在のポジションを得るにいたったわけです。
最初はこじんまりとしたオーパスワンを作るためのぶどうが栽培される畑も、現在は68ヘクタールにまで拡大。
いかにオーパスワンが必要とされているか、この事実からもうかがえるでしょう。

現在オーパスワンのワイナリーを取り仕切る人物は、ワインに深い愛情を持つマイケル・シラーチ氏へ代わっています。
マイケルはオーパスワンの伝統を守りつつも、革新的な取り組みにもチャレンジ。
彼の手によって、オーパスワンはさらなる進化を続けています。

ちなみにオーパスワンが登場するまで、カリフォルニアワインはきわめて厳しい扱いを受けていました。
オーパスワン自体も例外ではなく、ヨーロッパからは、一部懐疑的な目で見られていたようです。

しかしオーパスワンは、ヨーロッパのワイン通たちも黙って認める他ないクオリティを持っていました。
そして「最高峰ヨーロッパワインと比較しても、遜色はない」と考えるようになったのです。

現在においてカリフォルニアワインは、ある意味で世界中から認められています。
オーパスワンはその点について、多大なる貢献をもたらした革命的な存在です。

オーパスワンの味や香りとは?

オーパスワンの味と香りは、当然のことながら極上です。
カヴェルネ・ソーヴィニヨン由来のずっしりとした深みをベースに、均整が取れた渋みと酸味。
ボルドーワインの名前に恥じない芳醇な香りと、弾けるような果実味があります。

さらにチョコレートのように力強い後味があり、「飲み込んでからも美味しい」ワインっです。
そのうえ、重厚なワインであるのにもかかわらず飲みやすいという特徴を持っています。

というようにオーパスワンは、赤ワインにおいて考えうる美点をすべて詰め込んだような存在。
明らかに特別な存在のオーパスワンは、世界中で愛され続けています。

オーパスワンの当たり年

オーパスワンの当たり年は、おおむね以下のとおりです。

  • 1999年
  • 2012年
  • 2013年

1999年は、オーパスワンにとって最高の当たり年でした。
いわゆる「インディアン・サマー」が訪れたこの年、カリフォルニアはとても暖かい気候に包まれていたのです。
この中でぶどうたちはすくすくと成長し、素晴らしい成熟度を得るに至りました。

2013年は、ワインの出来栄えを評価する「ワインアドヴォケイト」による「ヴィンテージチャート」にて、オーパスワン史上最高となる「97点」が付けられた年です。
特にカヴェルネ・ソーヴィニヨンの出来栄えが「規格外」・「破格」であると評価されました。
やはり価格は高い傾向にありますが、それだけの価値がある仕上がりです。

2015年も、誰しもが認める当たり年でした。
すべてのぶどうが理想的な出来栄えであり、何もかもがオーパスワンへ味方した1年。
特に香りと風味が優れており、きわめて上品な赤ワインとしてとらえられています。

明確な当たり年であるにもかかわらず、2015年のオーパスワンはやや廉価な部類。
オーパスワンを飲みたいという人には、2015年のものがおすすめです。

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第一印象に黒い果実、スパイス、焼きたてのパンのアロマを思わせる2015年オーパスワンは、バイオレットや紅茶、セージの魅惑…

まとめ

オーパスワンは、フランス・アメリカ両国における重要人物が合作した、きわめて品質のよいボルドーワイン。
すべての要素において欠点らしい欠点がなく、世界中からの称賛を浴び続けています。
カリフォルニアワインに与えられていた厳しい評価を塗り替え、今では世界有数のワインとして数えられるようになりました。

ぜひ一度、オーパスワンの素晴らしさを感じてもらえればと思います。

 

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