天才醸造家が生んだドメーヌ・プリューレ・ロックの実力ワイン

天才醸造家が生んだドメーヌ・プリューレ・ロックの実力ワイン

純粋なブドウの豊かさを感じることができるドメーヌ・プリューレ・ロックのワイン。華麗な香りと口の中の余韻は、ブルゴーニュのテロワールを感じさせてくれます。プリューレ・ロックは、「テロワールが開花する」といっています。プリューレ・ロックのワインは、テロワールの大輪の花が次から次へと花開き、香りからも、味わいからも、そして余韻からもブルゴーニュに酔いしれさせてくれます。それは、夢を見ているかのような心地よさ。

今回は、そのプリューレ・ロックをご紹介します。

プリューレ・ロックとは?

プリューレ・ロックは、フランスのブルゴーニュ地方、ニュイ・サン・ジョルジュ村にあるドメーヌ。

1988年、アンリ・フレデリック・ロック氏によって創立されました。

ロック氏は、ドメーヌ・ルロワの2代目アンリ・ルロワ氏の孫であり、かの有名なマダム・ルロワの甥にあたります。

アンリ・フレデリック・ロック氏は、ブルゴーニュ最高峰のDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)が売り出した区画を購入し、ドメーヌ・プリューレ・ロックを創業したのです。

1992年からは、DRCの共同経営者にもなっています。

天才醸造家の遺伝子と、経営者としての実力を兼備したロック氏は、ビオロジック農法をおこない、自然派の第一人者となり、世界でも高い評価を受けました。

残念ながら、彼は2018年に、56歳の若さで他界してしまいました。現在は、2010年から共同経営者であったヤニック・シャン氏がロック氏のワイン造りを引き継いでいます。

自然派のワイン造り

アンリ・フレデリック・ロック氏は、古文書を研究し、700年以上前にシトー派の修道士がおこなっていた有機栽培を復活させました。ロック氏は、「これは微生物を活性化させることにより肥沃な土壌を維持し、宇宙の摂理と調和を目指した栽培方法」であると語っています。

プリューレ・ロックでは、除草剤などの農薬や化学肥料は一切使用せず、有機肥料を用います。収穫はもちろん手摘みです。草取りなどの畑仕事もすべて人の手によっておこなわれています。

収穫で選果したのち、醸造所でもさらに選定されます。そして、除梗はせずに、房を丸ごと発酵槽に入れ、発酵は野生酵母のみでおこなわれます。全房発酵をすると、複雑な味わいのワインになり、DRCもこの方法を取り入れています。

フランスで認められいる補糖(シャプタリザシオン)も、プリューレ・ロックではおこなわれていません。

また、醸しは、現在でも人の足でブドウを潰しているというこだわりよう。古代にみられたようなワイン造りの伝統を今もなお実行しているというわけです。

熟成に使用する樽の材木は、DRCが50年以上前に買い付けし、20~30年長期乾燥させたものを使っています。

酸化防止剤の亜硫酸も添加しません。そのため、ワインが正常に熟成しているかどうか、2か月に1度、ひとつひとつの樽から試飲をし、分析もおこないます。

さらに、澱引きをせずに、ノン・フィルターで瓶詰めをします。

丁寧に綿密に作られる、まさに究極のビオロジックワインなのです。

ラベルに込められた思い

ラベルに描かれている象形文字のようなロゴは、エジプトの古文書に由来しています。左側の緑色の模様はブドウの木、下の3つの赤い丸はブドウの果実、上の黄色い楕円は神、その下の黄色い楕円は人を表しています。神つまり自然と、人によってワインは生み出されるというロック氏の考えを表している象徴的なロゴです。

プリューレ・ロックのおすすめワイン

淡い色合いと華やかなアロマ、テロワールが最大限に表現された味わいと余韻。やわらかなタッチですが、それでいて果実のパワーがあります。純粋さを感じ、まさに神と人が織りなした傑作であることが実感できます。

自然派ワインによく見受けられる、特有のクセのある香りや味わいが苦手、というかたもいらっしゃると思います。プリューレ・ロックのワインは、還元臭のような独特な香りをまったく感じさせません。うっとりするようなアロマに包み込まれ、華麗な世界に導いてくれます。

以下、プリューレ・ロックのおすすめワインをご紹介していきましょう。

ニュイ サン ジョルジュ クロ デ コルヴェ

クロ・デ・コルヴェは、プリューレ・ロックのモノポール(単独所有)のプルミエ・クリュ畑です。バラのようなフローラルな香りと、熟したラズベリーなどの果実、なめし革のようなニュアンスがあります。凝縮感のある果実味と、緻密な酸、しっかりしたタンニンのバランスが優れています。やわらかいけれども厚みのある質感で、心地よい余韻がある逸品です。

ニュイ サン ジョルジュ クロ コルヴェ ヴィエイユ ヴィーニュ

プリューレ・ロックのモノポール、クロ・デ・コルヴェにある樹齢70年の古樹から造られるキュヴェ。熟したブラックベリーのような果実の香りが濃厚で、シナモンなどのスパイス香が感じられます。力強いストラクチャーながら、なめらかで、口の中に凝縮感のあるアロマが広がります。古樹が生み出す艶美な味わいを楽しむことができる極上の1本です。

ヴォーヌ ロマネ クル

ヴォーヌ・ロマネ村の畑、プレ・ド・ラ・フォリとラ・コロンビエールのブドウを使用しているキュヴェ。

赤い果実の凝縮したニュアンスに、黒胡椒などのスパイス香が漂います。酸は透明感があり、エレガント。華やかで複雑なアロマにタンニンがとけこみ、深みのある味わいです。華麗な余韻が長く続く美しいワインです。

ブルゴーニュ ルージュ ピノトリ ピュール

特級畑と1級畑のブドウを使用した冠たるACブルゴーニュです。プリューレ・ロックのワインの中でも、熟度が高く、凝縮感があります。熟したブラックベリーは濃厚で、シナモンのニュアンスがあります。果実味が口の中いっぱいに広がり、力強いですが、ミネラル感もあり、優雅です。

ラドワ クル ルージュ

まずはプリューレ・ロックの味を試してみたいというかたにおすすめです。バラの香りとイチゴのような果実のニュアンスがあります。しなやかなタンニンがあり、繊細でエレガント。美々しいアロマが広がり、余韻もあります。フレッシュさも持ちあわせながら、プリューレ・ロックの麗しさも楽しむことができるスタイルです。

ロゼ

ラドワ・セリニィ村のピノ・ノワールを使用しているロゼ。色合いは、輝くサーモンピンク。ピュアなベリー系のアロマがあります。上品な酸味と、豊かな果実味が感じられ、プリューレ・ロックの気品を堪能できるロゼです。

ラドワ クル ブラン

ラドワ・セリニィ村のシャルドネを使用しています。畑は0.35haと、非常に貴重なワイン。

レモンや青リンゴのようなニュアンスがあり、味わいはまろやかで、味わい深いふくよかなシャルドネです。

ヴォーヌ ロマネ クロ ゴワイヨット

世界のワイン愛好家から大人気で、生産量が少ないため、幻の逸品です。

コンティ公爵がかつて所有していた区画で、ロック氏が創業当初購入し、プリューレ・ロックの単独所有となりました。

フローラルで果実味があり、トリュフや胡椒などの複雑なアロマが感じられます。優雅でまろやかなタンニンがあり、口当たりはビロードのようになめらかです。妖艶で、繊細で、これこそ芸術作品ともいえるヴォーヌ・ロマネ村の最高キュヴェ。

まとめ

ワイン好きが愛してやまないドメーヌ・プリューレ・ロック。ブドウ自体の豊かさとテロワールの個性を併せ持つプリューレ・ロックワインの背景には、想像を超えるこだわりと情熱があります。

そんなプリューレ・ロックのワイン、ぜひ飲んでみませんか?

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